重陽 [行事]

この週末は重陽でした。
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いや、正確には、昨日(9月9日)だけが重陽なんだけど。

1月7日の人日、
3月3日の上巳、
5月5日の端午、
7月7日の七夕、
そして、9月9日の重陽。
それぞれ七草、桃、菖蒲、笹ときて、重陽は菊の節句。
なんで人日だけゾロ目じゃないの?とか、
同じ奇数なのに11月11日は何もないの?とか、
調べ始めたらキリがないほど疑問はあるけど、
私はどうも節句を祝うのが好きなようで、とりあえずどれも無視はできない。

というわけで、まずは土曜日の昼間のお茶から重陽を祝うことに。
前日のうちに手に入れておいた練りきりでお抹茶を頂きました。
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数年前は『明日は重陽ね』なんて言う人はほぼおらず、
菊のお菓子を探してうろつきまわったものだけど、和菓子業界も重陽に目覚めたのか、
今年はこんなデザインの練りきりまで近所で手に入った。
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着せ綿じゃないですか~[ぴかぴか(新しい)]
重陽前夜に菊の花を綿で覆っておき、
翌朝、菊の香りと夜露を移した綿で顔を拭う、という風習を模した菊のお菓子。
着せ綿について知ったとき、「なんと雅な!」と、私は心躍らせたものです。
ちなみに、知ったのは某私大受験の国語の問題文。試験中に心が躍っちゃう私。。

夕食も、若干だけど菊を意識しました。
茹でた鶏むね肉、小松菜とえのきのお浸し、秋の味覚の小芋、茄子の揚げびたし、枝豆・・・
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どこが菊?!って、それは、
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そう、お浸しに転々と入っている黄色いのが菊の花びらなんです。。。
あと、菊花豆腐のすまし汁も作ったんだけど、
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全く菊に見えず、大失敗。
秋らしく秋刀魚も狙ったのですが、まだまだ高くて(2尾で800円!)、
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年間通して定番になりつつある、ハタハタの一夜干しになってしまった。
だいたい、今の暦では菊だって路地ではまだ咲かないんだから仕方ないのだ。
去年ぐらいまでは、この時期に菊の切り花を花屋で探してもなかなか無くて、
店員さんに「お彼岸に備えて、この時期はあまり出回らないんですよ」なんて、言われたくらい。
旧暦なら10月中旬なのだから、それは菊がふんだんにあり、なおかつ綺麗な時期だったろう。
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取り皿が菊柄だったのが、せめてもの悪あがきかも。
来年は旧暦でやってみようかなあ、と、思わなくもない。

食後には菊花茶を。
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菊の花をそのまま乾燥させただけのもので
お湯に入れる前はくっちゃくちゃの枯れ花なんだけど
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お湯の中では見事に開いてとても綺麗。
眼精疲労回復や抗菌、解熱効果などもあるらしいけど、
何より素晴らしいのは、香りだと私は思う。
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微かな花の甘みと、馥郁たる菊の高貴な香りにうっとりとしてしまう。
さまざまな目に見えない効果はわからないけど、リラックス効果は絶大だと保証できる。

翌、重陽当日は、わざとらしく菊を目の前においてDVD鑑賞をしました。
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飲んでいるのは紅茶だし、
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食べたのは梨なんだけど。

こうして、我が家の重陽は終わりました。
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陰陽思想では奇数=陽。9月9日は最大の陽が重なる重陽。
もともとは陽の気が強すぎるために不吉とされ、それを払う日だったのだそうです。
先週は、大型台風が近畿地方を襲い、大地震が北海道を襲うという
日本にとって大変な受難の週だったと思うけど、
なんとか早く余震がおさまり、誰もが日常を取り戻せるようにと祈らずにはいられない。

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