名は体を表すか？②～新しい名前～

きっと、あの子が一番人気だろうね、という我々の予想に反し、
なんで彼がぽつんと残っていたのか、ハッキリ言って私達には全然わからない。
寝てばかりの他の子猫ちゃん達に比べ、茶トラくんは愛嬌たっぷり。
元気いっぱい、かわいさ満開で跳びまわっていたのだから。

２０１７年７月８日、満を持して我が家にやってきた茶トラくんは
予想以上におもしろいヤツだった。

そう、病院での彼の名前は『はさまりくん』。
なんでも、病院で与えられたおもちゃに思いっきり頭を突っ込み
どうにもこうにもはずれなくなってしまったことが由来だとか。おもちゃを破壊するしかなかったらしい。


ここでも彼ははさまっている。。。椅子の角に。
小さな隙間、絶対に入れなさそうな隙間に迷わず突っ込む子猫ちゃん、
危険回避のためには、目が配れる我が家で良かったのかもしれない、と思ったり。

さて、７月１日に我が家への譲渡が決定し、７月８日に彼を迎えに行くまでの間、
私たちは新しい名前を考えました。
童話に出てくるカッコいい名前はないかしら？それとも、先代ネネムに連なる名前？
いやいや、和風な名前もいいかも・・・いっそこのまま、『はさまりくん』？？
そういや、ネネムの名前はココから探したんだよね～と、ネム妻が取り出したのは、

宮沢賢治の文庫本。何度も何度も読み返してボロボロだけど。
ほら、これ、、

これが、ネネムの名前の由来です。
『ネネム』は、懸命に努力してバケモノ界の世界裁判長に就任し、後に自らの失敗を自ら罰した、
優秀で、とっても正直な尊敬すべきバケモノの名前なのだ。
そして、同じ本に載っていた短編にこんなのが。

お母さんのお手伝いで凍った藤蔓を砕いていたホロタイタネリくんの、ある日のお話です。
明るい光とかげろうに春の気配を感じたタネリくんは、矢も楯もたまらず森に駆け出し
西風とともに、木々に、蛙に、泥に、鳥に、春の訪れを告げて回る・・・

そんなホロタイタネリと、屈託なく駆け回って遊ぶ元気な茶トラが重なりました☆
こうして、元気な縞々の茶トラ猫、いろんなものにはさまっちゃう『はさまリくん』は、
『タネリ』という名前に決まったのです。

・・・③に続く。。。

コメント 5

一枚目の写真も壁とタワーの隙間に挟まってますね＾＾。　足が落ちてる。
２枚目のも後ろ足のクロスがなんて愛らしい♪
文学作品からの命名、すごいなぁ。由緒正しきっ感じがします。
by Inatimy (2018-08-10 20:27) 

なんと、ネネムちゃんの名前って、宮沢賢治の作品から取ったんですね～。
タネリちゃんも同じ出典、いいネーミングだと思います♪
by JUNJUN (2018-08-11 03:42) 

猫とニンゲンは、どうも不思議な縁に導かれて出会うようです。
タネリさんは、きっと、ネムさんご夫妻のために、って
ネネムさんが、お空から使わせた子なのだと思いました(^^)v
by のらん (2018-08-11 14:29) 

挟まる子猫！　なんか色々注意しないといけないと思いますが、無事に成長してよかったです。宮沢賢治が出典とは恐れ入りました。カムパネルラとかジョバンニとか……ますむらひろし先生の世界みたい。
by あーる (2018-08-12 12:29) 

Inatimy様
ホントだ、足がクロスしてる(笑)
実は一番危険を感じた挟まリ場所が、このタワーでして。
いつか体が落ちて首が挟まってしまうのではないか、と気が気じゃありませんでした。

JUNJUN様
ありがとうございます！
今回は宮沢賢治にこだわるつもりは無かったのですが、結果的に同じ出典になっちゃいました☆

のらん様
実はもうひとつ不思議なこともあって、たしかにタネリはうちに来るべくしてきたんだ、と思わされてしまってます。
ネネムの穴を埋めるのではなく、この子も愛していいよ、とネネムが言っているように思ってます☆

あーる様
いや本当に、半年ぐらいは家を空けるのをためらわれました(笑)！
ネネムを迎えた当時は、一番、宮沢賢治にはまっていた頃でして。
生原稿を見る機会があって、たくさんの書き込みや書き直しに魅了されてしまい、はまってしまっていたのです。。
by ネム (2018-08-12 23:22)